EASS(East Asian Social Survey)とは?
EASSDA(公式サイト)
ニュースレター (Mar 2023)
※EASSデータは、2022年5月31日よりJGSSDDSからダウンロードできます。
EASS(East Asian Social Survey)プロジェクトは、欧米の研究者が中心になりがちな国際比較調査において、東アジア社会に特有な問題や関心に基づいて、共通の設問(モジュール)を設定し、国際比較分析を行おうとするプロジェクトである。
このプロジェクトは、2003年6月に大阪商業大学において開催した「JGSS国際シンポジウム2003」を契機として立ち上がったもので、JGSSプロジェクトがその立ち上げ、運営に深くかかわっている。JGSSのチームとともに、GSSに範を取る調査を長年実施してきた台湾(中央研究院社会学研究所チーム)と、2003年度に韓国版GSSを開始した韓国(成均館大学Survey Research Centerチーム)がその立ち上げ構成員である。その後、2003年から中国版GSSを実施した香港科技大学・中国人民大学調査研究チームも加わり、4ヵ国・地域でEASSを実施することとなった。
EASSプロジェクトの方法的な特徴は、独自の国際比較調査を新たに作り出すのではなく、それぞれの国・地域ですでに継続的に実施されている社会調査の中に、共通の設問群(モジュール)を組み入れることで国際比較を行うという点にある。2006年を初めとして、その後2年に1度、継続的にこのモジュールの組み入れを行っている。すでに実績のある継続調査を活用することで効果的・安定的に国際比較調査を継続させることを狙っている。
第1回目となるEASS 2006のテーマは「東アジアの家族」であり、JGSSでは、EASSモジュールの設問についても国内外に公募を呼びかけた。EASSプロジェクトのチームは、ソウル、台北、北京、大阪で数回のミーティングを重ね、EASS 2006のモジュールを完成させた。EASS 2006の4チームの統合データは、East Asia Social Survey Data Archive(EASSDA)でそのデータセットが、2009年2月に公開されている。EASS 2006の統合データは、2013年6月には、ミシガン大学のICPSRからも利用できるようになった。
その後の調査でも、モジュール作成のために年に2回、4チームが参加しての国際会議を開催している。第2回となるEASS 2008の調査テーマは「東アジアの文化とグローバリゼーション」、第3回となるEASS 2010は「東アジアにおける健康と社会」、 第4回となるEASS 2012は「東アジアの社会的ネットワークと社会関係資本」、第5回となるEASS 2014/2015は「東アジアの仕事と生活」、 第6回となるEASS 2016は「東アジアの家族」、第7回目となるEASS 2018は「東アジアの文化とグローバリゼーション」である。EASS 2008の統合データ、EASS 2010の統合データ、EASS 2012の統合データは、EASSDAとICPSRから順次公開されている。
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