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JGSSプロジェクト

JGSSプロジェクトの目的・意義
JGSS(Japanese General Social Surveys)プロジェクトは、日本人の意識や行動を総合的に調べる社会調査を継続的に実施し、二次利用を希望する研究者にそのデータを公開することで、多様な学術研究を促進しようとするプロジェクトである。調査項目は、就業や生計の実態、世帯構成、余暇活動、健康状態、犯罪被害の実態、政治意識、家族規範、死生観など多岐にわたり、さまざまな問題に応えることができる調査データを蓄積している。プロジェクトの開始以降、すでに多くの調査データを公開しており、幅広い分野の研究・教育に役立てられている。

JGSSプロジェクトは、1998年秋にスタートし、翌1999年からは、将来の発展が期待される卓越した研究組織として、2期10年にわたり文部科学省から「学術フロンティア推進拠点」に指定され、プロジェクト推進の支援を受けた。また、2008年6月から2013年3月までの5年間は、同省より「人文学及び社会科学における共同研究拠点の整備の推進事業(2010年4月より「特色ある共同研究拠点の整備の推進事業」に名称を変更)」の共同利用・共同研究拠点に採択され、それを機に、プロジェクト実施機関は、大阪商業大学比較地域研究所の一部門から独立して、「日本版総合的社会調査共同研究拠点 大阪商業大学JGSS研究センター」に改めた。2008年10月には、文部科学大臣より共同利用・共同研究拠点の認定を受け、2014年4月に再認定された。本プロジェクトは、発足当初から東京大学社会科学研究所と協力しており、2008年12月~2013年3月までは正式に協力協定を結んでいる。

JGSS研究センターは、大阪商業大学内に事務局を置き、センター長は岩井紀子(大阪商業大学教授)が務めている。プロジェクトのメンバーは、学内外の研究者によって構成される運営委員会、専属研究員に加えて、研究課題(調査設計段階から参加)および分析研究課題(データ分析の段階から参加)の公募によって本センターの嘱託研究員となった研究者からなっている。国公私立の教育・研究機関から、社会学や社会心理学、行動計量学、経済学、教育学、統計学、人口学、犯罪学、人文地理学、疫学などを専攻する研究者が多数参加している。

このプロジェクトの一番の特徴は、継続的な調査データの公開による研究資源の共有にある。このような性格をもつ社会調査としては、アメリカのGeneral Social Survey(GSS)が有名であり、JGSSはGSSを模範としている。GSSは、シカゴ大学のNational Opinion Research Centerが1972年から継続して行っている総合的社会調査であり、2012年までに29回の調査が行われ、のべ5万5千人以上が調査に協力している。蓄積された変数(調査項目)は5,500以上あり、GSSのデータを分析または参照した著作は2万以上にのぼる。アイルランド、イギリス、オーストラリア、カナダ、ドイツ、台湾、韓国、中国などでも、GSSと類似の調査が行われており、JGSSはその日本版である。

JGSSの成果の蓄積は、GSSと比較するとまだ少ないが、それでも2012年までの9回の調査でのべ約3万5千人以上の人々の協力を得ており、「JGSS累積データ2000-2010」の変数は2,200を超え,868変数には2時点以上のデータが,169変数には8時点のデータがある。JGSSのデータは、「JGSS研究課題」や「JGSS分析研究課題」の分析が進められた後、実査から約3年後に、日本語版と英語版をセットして、東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センターSSJデータアーカイブ(SSJDA)、ミシガン大学のInter-university Consortium for Political and Social Research(ICPSR)、およびドイツのGerman Social Science Infrastructure Services(GESIS)に寄託している。JGSSデータの利用は、2013年3月末の段階で、SSJDAではのべ2万9千件を超え、ICPSRでものべ1万6千件を超えている。JGSSデータは、ICPSRの所蔵する50万以上のデータの中で,常に10位内の利用頻度を誇り、日本はデータを提供することなく利用する一方であるという認識を覆すことに貢献している。SSJDAやICPSRを通してJGSSデータの利用者数は、年々増加しており、利用者の所属機関は国内外の多岐にわたっている。

公開データの利用による研究の成果は、日本社会学会をはじめ、日本社会心理学会、日本グループダイナミックス学会、日本犯罪社会学会、日本家族社会学会、日本教育社会学会、数理社会学会、日本行動計量学会、日本人口学会、日本経済学会、経済社会学会、生活経済学会、組織学会、日本経営診断学会、日本リスク研究学会、言語処理学会、情報処理学会、日本コミュニケーション学会、日本英語コミュニケーション学会、日本公衆衛生学会、国際開発学会、日本農業市場学会、アメリカ社会学会、国際社会学機構、世界女性学会議、世界社会学会議などの学会大会において報告されている。JGSSはいまや日本を代表する社会調査の1つとなっている。

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JGSSプロジェクトの発展

JGSSプロジェクトの活動はこれまでに高く評価されており、2003年11月には、財団法人日本統計協会から「統計活動奨励賞」を授与された。また、1999~2008年度は文部科学省の「学術フロンティア推進拠点」として、2008年6月からは、同省が認定する共同研究拠点として、プロジェクトを継続している。JGSSプロジェクトは、プロジェクトの進展のなかで当初の目標を超えて発展を続けている。これまでになされてきた、あるいは現在進行中の主な試みは、以下のように広範にわたっている。


調査方法の検討
JGSSプロジェクトでは、プロジェクトの発足当初の1999年に、調査項目と調査方法論上の問題を検討するため、2回の予備調査を行っている。その後も小規模な予備調査で調査方法上の問題を幾度となく検討している。また、調査への協力が得られず欠票とせざるをえなかったケースについても、その状況を欠票調査票という形で情報収集し、協力状況の向上のために役立てている。このように、このプロジェクトでは調査方法上の問題を検討することにも力を入れている。

研究課題の公募・分析研究課題の公募
本プロジェクトでは、2005年度の調査以降、国内外の研究者および大学院生から、設問の一部を公募している。共同利用・共同研究拠点に採択された2008年6月以降は、研究課題の公募、および、分析研究課題の公募を開始した。研究課題の公募とは、調査項目作成の段階から研究テーマを温めている国内外の研究者にアイデアを応募してもらう形式の公募である。分析研究課題の公募とは、実査終了後に研究課題の公募で生かし切れていない調査項目の分析アイデアを応募してもらう形式の公募である。アイデアはあるけれども、全国調査に参加する機会のない研究者(特に若手研究者)の参加を得て、JGSSの調査票および研究成果をさらに充実させることを目指している。

論文の公募・表彰
JGSSプロジェクトでは、2003年から毎年、JGSSデータを用いた論文を公募し、優秀な論文の表彰を行っている。公開されているデータの利用を促進するとともに、優秀な研究成果を発掘する狙いがある。2013年までに23本の論文を表彰している。

若手研究者の育成
JGSSは短い間隔で調査が繰り返されているので、若手研究者が実際の全国調査を経験する機会を豊富に提供できる。そこで、JGSSプロジェクトでは、研究課題の公募、分析研究課題の公募、論文の公募、その他の機会を活用して積極的に若手研究者の育成に努めてきた。2005年度からは、その試みを「JGSS調査研究奨励プログラム」として制度化し、若手研究者の育成を強化している。2013年4月現在、21人の大学院生がこのプログラムを修了し、2人の大学院生がこのプログラムに参加している。また、2005年度からは、ポストドクトラル研究員を採用し、調査の企画・設計、実施、データ解析、論文執筆という一連のプロセスに参加し、全国調査ならびに国際比較調査に必要な技能と知識を磨いている。現在主任研究員1名とポストドクトラル研究員1名となっている。

個人情報保護の強化
JGSSプロジェクトでは、当初から個人情報の保護には細心の注意を払ってきた。例えば、データの公開にあたっては、個人や家族が決して特定されないように、居住地域の情報を除外し、ケースの並び順をばらばらにするなどの工夫をしている。2005年4月の個人情報保護法の施行を受け、さらに注意を強化している。また、さらに踏み込んで、社会調査の実施と個人情報の保護を両立するため、調査対象者の抽出方法や調査の依頼方法についても研究を重ねている。

累積データセットの作成
JGSSは継続調査であるため時系列的な分析が可能である。時系列的な分析を促進するために、第1期の調査データ(JGSS-2000,2001,2002,2003)を一括して分析でき、利便性が高い「JGSS累積データ2000-2003」を作成し、公開している。今後は、JGSS-2000~2010の10年間の調査の累積データの公開を目指す。

ウェブ上のリモート集計
JGSSのデータを寄託している東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センターSSJデータアーカイブでは、2005年10月からウェブ上でデータの簡単な集計を行うことができるリモート集計システムを導入している。JGSSデータもリモート集計が可能となっており、大学に所属する研究者や学生は、オンラインで、単純集計、相関、クロス表分析、t-検定のプログラムを用いて、JGSSのデータを分析することができる。リモート集計は、特に教育の場面で有効に活用されている。

社会ネットワークの調査
2003年度に行った調査(JGSS-2003)では、調査対象者を二等分して別々の調査を行った。一方の人々にはこれまでの調査との継続性が強い調査を行い、もう一方の人々に対しては、他人との交流の程度や内容を詳しく尋ねる社会ネットワークの調査を行った。このような社会ネットワークの調査は単独でも非常に貴重なもので、そのデータが公開されることで多くの研究に役立っている。

国際的な利用の促進
JSSSデータは当初日本語のみで利用が可能であったが、国際的な利用の必要性を満たすため、データおよび調査資料の英訳が進められた。現在では、日本語版と英語版のデータが同時に公開されている。また、データの配布を依頼するデータアーカイブは、当初、東京大学社会科学研究所のSSJデータアーカイブのみであったが、現在ではアメリカ(ICPSR: Inter-university Consortium for Political and Social Research)とドイツ(GESIS: German Social Science Infrastructure Services)のデータアーカイブからも利用できるようになっている。2013年3月現在、ICPSRを通じたJGSSデータのダウンロード件数はのべ約16,000件にのぼる。

東アジアの国際比較調査
JGSSプロジェクトでは、2006年の調査から、東アジアの複数の国・地域で国際比較調査を行うEASS(East Asian Social Survey)プロジェクトに参加している。EASSプロジェクトは、各国・地域ですでに行われている継続調査の調査票の中に、共通の設問をモジュールとして組み入れることで国際比較を行おうとする試みである。JGSSでは、2006年以降、調査対象者を二等分して、留置調査票を2種類(A票とB票)作成し、留置調査票B票にEASSのモジュールを組み込んでいる。

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